経営方針

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載以外の内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。
また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

(1)不動産市況等の影響について
当連結会計年度において不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きな影響を受けることとなりました。緊急事態宣言により正常な営業活動ができなくなり、不動産業界に大きな影響を与えることとなり、事業への警戒感が高まってまいりました。
当グループは北九州市を中心に沖縄県を除く九州全域と山口県を基盤とした地域密着型の事業を展開しているため、同エリアにて経済環境、地価及び資材の高騰や自然災害等、業績に影響を受ける可能性があります。
(2)新型コロナウイルス感染症に関するリスク
本書提出日現在において、当社グループの主要な事業セグメントへの影響としては、主要事業における商品完成への影響、販売に伴う影響の2点と分析しております。
まず、主要事業における商品完成への影響としましては、海外、国内共に住宅設備等の工場において、感染が拡大し工場の機能が停止した場合、各住宅設備の納品の遅れが発生し、分譲マンションや一戸建ての竣工が遅れ売上計上できない可能性があります。
また、販売に伴う影響としましても、景気の中長期的な低迷により、企業の人件費削減等の施策による住宅購入マインドの低下、住宅ローン審査の厳格化により売上が低迷する可能性があります。
なお、当該リスクについては、収束時間が不確実であり予想困難ですが、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の収束、また景気の下振れは一定期間続くと考えており、その予想する影響は業績に織り込んでおります。
(3)業績の偏重について
不動産業界においては、一般に、物件の引渡し(売上計上)時期は3月頃に集中する傾向があり、また、マンション分譲事業においては、その性質上、竣工時に当該マンションのほとんどの住戸が引き渡されるため、月次または四半期等で見た場合、売上が特定の時期に偏る傾向があります。
今後は特定の時期に偏らないよう仕入や工期を調整するように進めてまいりますが、調整が想定通り進まない場合、四半期毎の業績が不安定になる可能性があります。
(4)有利子負債について

当社グループは、原則として、プロジェクト案件ごとに用地の取得資金と開発費用等そのプロジェクトの推進に必要な資金を、プロジェクトの期間に応じた金融機関からの借入金により調達しており、下表のとおり有利子負債依存度が高い水準で推移しております。
なお、当社グループにおいて、「短期借入金」、「1年内償還予定の社債」、「1年内返済予定の長期借入金」、「リース債務」、「社債」、「長期借入金」が有利子負債に該当いたします。

決算期 総資産(百万円) 有利子負債(百万円) 有利子負債依存度(%)
第48期事業年度 23,814 15,024 63.1
第49期事業年度 27,983 17,515 62.6
第50期連結会計年度 25,997 16,428 63.2
第51期連結会計年度 29,676 15,585 52.5
第52期連結会計年度 32,302 17,967 55.6

また、運転資金については、原則として手許資金で賄うこととしておりますが、資金繰り弾力化のため、一部金融機関からの借入を実施しております。近年においては、低金利の継続により、金利負担は比較的低水準で推移しておりますが、将来において金利が上昇した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の金融政策の方針が変更した場合、プロジェクトの進捗や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制について

当社グループの属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」「建築基準法」「国土利用計画法」「都市計画法」等、不動産取引や建築に関わる多数の法令、及び各自治体で定められている建築に関する条例等の法的規制を受けております。
また、連結子会社の株式会社リビングサポートにおきましては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。このため、将来におけるこれらの法的規制の改廃、新法の制定等により、事業計画を見直す必要が生じる場合や、これらの法的規制等に定める事項に抵触した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社のグループの事業活動における必要不可欠な免許として、当社においては宅地建物取引業免許が、株式会社リビングサポートにおいては管理業務主任者免許があります。現時点では、免許または登録の取消事由・更新欠格事由(※下表枠外に記載)に該当する事実は存在しておりませんが、今後、何らかの理由により免許及び登録の取消・更新欠格による失効等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの有する免許、許可及び登録については、以下のとおりであります。

会社名 法令名 免許・許可・登録等 有効期限
大英産業(株) 宅地建物取引業法 宅地建物取引業免許
国土交通大臣免許(2)
第008700号
宅地建物取引主任士(147名)
2024年11月11日
大英産業(株) 建築士法 一級建築士事務所登録
福岡県知事登録
第1-60140号
一級建築士(3名)
二級建築士(16名)
2025年12月12日
大英産業(株) 建設業法 特定建設業許可
福岡県知事許可
(特-2)第98911号
一級施工管理技士(5名)
二級施工管理技士(8名)
2027年9月10日
(株)リビングサポート マンションの管理の適正化の
推進に関する法律
国土交通大臣(3)
第093710号
管理業務主任者(4名)
2025年12月16日

※許認可等の取消事由について

  1. 宅地建物取引業者免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。
  2. 一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。
  3. 建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。
  4. マンション管理業者登録の取消事由は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条に定められております。
(6)融資について
当社グループの事業については、多額の資金が必要になります。多額の資金を自己資金で賄うことは現実的ではなく、金融機関等の借入金により、各事業のプロジェクトを遂行しております。経済環境の変化により、金融機関の融資条件等がより一層厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)土地仕入について
当社グループでは、主要事業が全て土地に関連する事業のため、事業用地の仕入が各プロジェクト成否において生命線となります。
立地条件、地積、地盤、周辺環境、権利関係、収支計画等について事前に調査・検討し、その結果を踏まえた上で仕入を行っております。しかし、競合等により仕入価格が上がった場合、プロジェクトの収益が計画どおりに確保できない、あるいは仕入中止によりプロジェクトを断念する等、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、用地取得時に予想できない土壌汚染や地中埋設物が発見された場合や、工事進捗に影響する近隣住民との問題が解決できなかった場合、プロジェクトの遅れや追加費用の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料・資材価格等の高騰について
建築コストは売上原価の主要項目であり、国内外市場の動向等により原材料・資材・物流等の価格が上昇した場合は、上昇分に応じて販売価格に転嫁しております。しかしながら、想定を上回って建築コストが上昇し、販売価格へ転嫁することが難しい場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)災害等によるリスクについて
当社グループは、震災等による社員の安全・当社建築等に係るビジネスパートナーの安全等を確保するため、大地震対応マニュアルの作成や緊急連絡・安否確認システムの構築、災害備蓄品の設置を実施しております。
しかしながら、当社グループ事業エリアにおける震災、または広域で被害予測される南海トラフ地震等の災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
また、ウイルス感染症においても、新型コロナウイルス感染症を機に感染マニュアルを作成しておりますが、受注減及びサプライチェーンの不安定化による建築物件の設備等の納品遅れや、それに伴う工期の遅延等が起こることがあれば、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)契約不適合責任について
当社グループの不動産事業については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅(分譲マンションを含む)の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について住宅の引渡しから10年間、その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡しから最低2年間について契約不適合責任を負っております。(2020年4月1日民法改正により「瑕疵担保責任」に変わり「契約不適合責任」が制定。)
当社グループは建築工事の工程管理、品質管理に万全を期しておりますが、何らかの事情により当社グループが責任を負うことにより、想定外の補償工事費用の計上や当社の信用力の低下が発生した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)完成工事補償引当金について
お客様へ物件を引き渡した後に補修工事を行う場合や、完成工事の瑕疵担保責任に備える目的の引当金を計上しております。
販売棟数の増加に伴い必然的に利益圧縮に繋がることに加え、不測の施工不良等により実際に多額の補修工事が発生した場合、引当金の計上額(販売費および一般管理費)が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)建築の外部委託及び工程監理について
当社グループの事業における建築工事は、一部または全部を外部に委託しております。このことは、自社の固定人件費の抑制に繋がっており、不況時においては、経営リスクを軽減する反面、好況時においては、外部委託先の確保が十分にできなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、住宅建築工事においては、外部に分離発注する形態にて工事委託を行っておりますが、一部、連結子会社の大英工務店が携わっております。将来の住宅業界における工事職人不足は顕在化しており、当社委託先の職人が減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
各現場工程監理につきましては、各事業担当者にて、より慎重を期して行っておりますが、不測の事態等により工事の遅延等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)販売の外部委託について
当社グループは、一部物件の販売活動を外部業者に委託しております。これにより、当社グループのみで販売する場合に比べて、より多くの物件を同時に販売できる反面、販売手数料等の増加により利益率が悪くなります。
今後外部業者への委託割合が増加した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)個人情報の漏洩について
当社グループでは、事業の性質上、常時多数のお客様の個人情報をお預かりしている状況にあります。個人情報については、プライバシーマークを取得し、個人情報保護基本規程に基づいて厳重に管理しております。
また、社内では個人情報保護委員会を設け、当社グループの従業員等に対する定期的な教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を行っております。
しかし、これらの対策にもかかわらず個人情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用が著しく低下する上に、多額の損害賠償金等が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)人材の確保及び育成について
当社グループでは、継続的な成長を達成するために、優秀な人材の採用と教育が重要であると考えております。当社グループとしては、積極的な事業展開により求職者にとって魅力的な企業となるべく努力をしてまいりますが、必要な人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合や当社グループの予想を大幅に上回るような退職者が発生した場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)現金及び預金残高の増減について
マンション事業においては、その性質上、竣工引渡時に一斉に売上代金を回収するため、一時的に現金及び預金の残高が大幅に増加し、その後の数ヶ月間で工事代金の最終金決済やプロジェクト資金の返済が行われるため、大幅に減少いたします。竣工時期に偏りがないような用地仕入、ならびにゼネコンとの工事請負契約の締結のスケジュール組みに着手しておりますが、想定通り進まない場合、当社グループの財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(17)競合について
当社グループは、沖縄県を除く九州全域で事業展開をしております。首都圏等に比較すると少ないものの、大手マンションデベロッパー・ハウスメーカーから個人事業者に至るまで大小様々な競合他社が多数存在しており、大変厳しい競争にさらされております。今後においても新規大手の参入や異業種からの参入も増える可能性があり、さらに競争が激化することが想定されます。これにより、物件の仕入価格の上昇(原価の高騰)や、販売価格の下落(売上の減少)が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)人口動向について
当社グループの事業エリアである九州・山口エリアは、総人口の減少と少子高齢化が進んでおり、今後、その傾向はますます強くなることが想定されます。このことにより、特に住宅事業の主な購入者層である20~30代の子育て世代は、減少していくことが確実視されます。今後は、従来の北九州近郊から事業エリアを広げて顧客を確保することや、多様な家族構成に合わせた商品開発を展開するなどの対策を中長期的に検討しなければなりませんが、対策がうまくいかなかった場合、売上が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(19)人住宅業界の技術革新について
近年、耐震・耐火・省エネなどの高付加価値を持つ住宅に対するニーズが高まっています。
特に「スマートハウス」は、IT技術と連動することで快適な住空間を制御できる住宅であり、大手ハウスメーカーを中心に、様々な新商品が市場に投入される傾向にあります。
少子高齢化の構造的な問題を抱える住宅業界においては、高付加価値商品の提供が生存競争上の大きなポイントとなりますが、業界またはお客様の望む技術革新のスピードに当社グループが対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(20)棚卸資産の評価損処理について
当社グループでは事業の性質上、棚卸資産が総資産に占める割合は2020年9月期において62.47%と非常に高い水準にあります。
会社方針により竣工在庫を抑制するよう努めており、完成在庫である販売用不動産だけであれば、総資産の23.12%と比較的少ない水準ではありますが、何らかの理由により不動産の市場価値が下落した場合は、評価損処理が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。